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西宮渡辺心臓脳・血管センター

専門性に根差した地域連携 高度急性期病院

 

包括的な視点で「人を幸せにする医療」が最も良い医療

医療にとって一番大切なことは何か。私は人を幸せにすることだと考えています。病院で接する時間というのは患者さんの人生の一部を切り取ったに過ぎません。専門性が高くなるほど病気や怪我だけに注目してしまいがちですが、治療を受けた後も患者さんの人生は続いていく。医療の質は確かに重要視されるべきですが、病気や怪我を治した後の人生を健やかに生きていくことも同じくらい重要です。社会・家庭・仕事なども含めた「一個人」をしっかり診て、完治や回復だけに限らない「患者さんそれぞれの幸せ」を見据えた医療を提供することこそが、最も良い医療だと思っています。

 

高度急性期医療を専門領域とする徹底した体制構築

治療の早さや技術の高さによって、その後の人生を大きく変えてしまうのが循環器疾患や脳血管疾患です。心臓や脳は生死や生活に直接関わる臓器であり、人間のあらゆる機能を統制する要です。

さらにこれらの疾患の特徴は突然起こること。だからこそ1分1秒を争う高度急性期の専門病院を立ち上げたことは私達にとって必然でした。当院は休日夜間でも循環器専門医の救急専門医3名と脳神経外科医1名の計4名が24時間365日常駐しています。心臓血管外科、脳外科、麻酔科も常時待機しているので、突発的な疾患に対して迅速かつ柔軟に対応できる上、同時あるいは連続して救急の受け入れも可能な体制を整えています。

さらに急性期医療の強化の一つとして、ラピッドレスポンスカーを導入しています。これは患者さんが病院に搬送されるのを待たずに、消防機関から通報を受けると同時に現場に医師を派遣するシステムです。出動までの時間は3分未満で、西宮市内であれば現場で救急隊とドッキングが可能です。重症患者さんに病院到着前から迅速な医療行為を行えるだけではなく、その患者さんの容態以外も考慮したベストな治療方針を判断し、病院到着と同時にその処置を開始できるのです。わずか数分のタイムロスも徹底的に省いた治療ができることは、患者さんのその後に大きく影響する非常に重要な役割であると思っています。

 

急性期後の重要なケアを充実させる多職種協働

人生を健やかに生きていくには心臓や脳と同様に、身体を動かす筋肉が不可欠です。ベッドに寝たままだと全身の筋力が落ち、さらに心臓もその運動量に見合った働きになってしまう。健康的な生活とはどんどんかけ離れてしまいます。だから早期から始めるリハビリが重要で、筋力の維持だけではなく、術後の心臓に応じた適切な運動量を踏まえた生活を理解しなくてはなりません。現代は患者さんが自分で自分の身体をマネジメントする時代になったので、患者さんに自分の身体を理解してもらうことが必要で、その理解のための時間もリハビリなんです。そうした身体の動かし方にも付随してくるのが、栄養の摂り方や薬の飲み方などをしっかり理解していただく。そこのケアを重要だと考えているので、看護師や理学療法士以外に、栄養士・薬剤師・心理士など、当院のスタッフは多職種に渡り連携を取っています。専門の違うスタッフたちが集まることにより、各職種から見てその患者さんにとって大切なことを共有できる多職種共同カンファレンスが可能になります。日々のリハビリなどの中で色々な職種のスタッフが患者さんに声をかけ、話を聞いたり、患者さん自身でも気づいていないことを引き出したりして、それを医療に落とし込む。患者さんが望んでいることを医師が個室で面と向かって聞くより、患者さんの本音を拾いやすいんです。

 

医療は”患者さんの希望”に寄り添う存在であるべき

患者さんにはそれぞれの人生があって、やりたいことや叶えたいことがあります。医療はそれにすり合わせをするべきだと私は考えています。病気を治すことが最終目的ではなく、一生涯にわたり「患者さんが何をしたいか・どんな人生を過ごしたいか」を考えた医療こそ、価値のある医療だと考えています。本邦も「健康寿命」の延伸を謳っていますが、それには「健康の増進」「病気・疾病の予防」も大切です。病気をされていない方も含めて、病気をどう予防し、健康に生きるためにどうしたらいいのかを考える時代です。そのために当院もできることを惜しみなく展開し、地域のみなさまを幸せにできる地域医療に貢献していきたいと考えております。入院中は、休みなく365日リハビリを受けていただくことができる他、退院後の継続率を上げるために送迎サービスや罹患に関わらず健康相談できる健康テラスを開設しました。今後も地域のみなさまが安心してくらしていけるよう、院外や法人外との連携を深め、地域全体を見据えた医療とケアを提供させていただけるように充実させてまいりたいと思います。

 

 

 

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