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心臓植込み型デバイス外来

ペースメーカ、植込み型除細動器(ICD)、心臓再同期療法・両心室ペースメーカ(CRT)といった植込み型心臓電気デバイスの手術治療および定期的な外来診療を行っています。
毎週月曜日の午後に、臨床工学技士と共にデバイスチェックを行っています。

 

ペースメーカ
洞不全症候群、房室ブロック、徐脈性心房細動など、高度徐脈に対してペースメーカ移植術を行っています。以前は右室心尖部にリードを留置しペーシングすることが一般的でしたが、近年右室中隔ペーシングやHis束ペーシングの有効性が報告され、当院でも積極的に新しい術式を取り入れて治療を行っています。

 

リードレスペースメーカ

2017年9月に保険償還されました。通常のペースメーカは前胸部の皮下に本体を植込み、リードは鎖骨下静脈から血管内に挿入して心腔内まで誘導して留置します。それに対して、リードレスペースメーカは大腿静脈からカテーテルを挿入し、小指大程の本体を直接右心室内に留置します。このため胸部に手術痕は残らず、またリード断線や皮下ポケット感染などのリスクも低減します。従来のペースメーカ手術と比較し低侵襲ですが、心室のみのペーシングや電池寿命が短い点等をふまえて、疾患・患者背景にあわせた選択が重要です。

植込み型除細動器(ICD)
心室頻拍や心室細動といった致死的不整脈が認められた患者、あるいは今後致死的不整脈が起こる可能性が高い患者をしっかりとスクリーニングして、心臓突然死を未然に防ぐべくICD移植を行っています。皮下植込み型除細動器(S-ICD)は、ICD本体を左側胸部の皮下、リードも前胸部の皮下に植込みます。そのため血管内にリードを挿入する必要がないため、菌血症からのリード感染のリスクを低減できます。疾患や患者背景に合わせて治療デバイスを選択しています。

 

心臓再同期療法(CRT)
従来のペースメーカでは右心房と右心室にリードを留置してペーシングを行いますが、CRTでは更に左心室にもリードを留置し、右室と左室を同期してペーシングすることで心機能の回復を図る治療法です。心電図でQRS幅が広い患者に特に有効です。

 

植込み型心臓モニタ(ILR)

失神の原因が不明の場合や、潜在性脳梗塞の主な原因の一つとされる心房細動の検索が可能となる有用な診断装置です。装置は局所麻酔で前胸部皮下に挿入し、最長3年間の持続的なモニタリングが可能となり、確定診断後抜去が可能です。

 

 

2021年 手術実績
総 数(例) 手 術 内 訳(例)
心臓デバイス植込み手術 新規 電池交換
ペースメーカ 66 58 8
経静脈的植込み型除細動器(ICD) 3 3 0
皮下植込み型除細動器(S-ICD) 0 0 0
心室再同期療法(CRTP / CRTD) 5 5 0
リードレスペースメーカ 2 2 0
植込み型心臓モニター(ILR) 5 5 0

 

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