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基本方針

臨床検査科では地域に貢献し、患者さんの健康を支援できるよう、正確で信頼性の高い検査結果の報告に努めております。そのため毎日の院内精度管理と日本臨床衛生検査技師会等の外部精度管理にも積極的に参加しております。また、夜間や休日も24時間体制で緊急検査を行っております。
臨床側からの要望に柔軟に対応できるよう、専門知識を有する臨床検査技師の育成に努めております。資格の取得や研修、学会等に参加し、常に最新の検査情報を習得しております。

取得資格

  • 心エコー図学会認定専門技師 2名
  • 超音波検査士(循環器領域) 3名
  • 超音波検査士(血管領域) 2名
  • 超音波検査士(消化器領域) 1名
  • 血管診療技師 4名
  • 糖尿病療養指導士 1名
  • 2級臨床検査士 1名

検査件数(2021年~2023年)

検査の概要

検査室は検体検査部門と生理検査部門の2つの部門に分かれています。
検体検査部門は血液や尿などから化学的な成分や細胞成分を分析し病気の原因や治療効果判定を調べます。
生理検査部門は、心電図検査や超音波検査など直接患者さんの身体を調べ治療に役立てます。

  • 生化学検査
    血液中に含まれる糖や脂質、酵素などを測定します。
  • 血液凝固検査
    血液中の赤血球や白血球などの数と形態の測定、また血液の凝固能を測定します。
  • 免疫・輸血検査
    各種ウィルスの抗原検査や抗体価などを測定します。また血液型、輸血適合検査および管理なども行います。
  • 一般検査
    尿、便、髄液などの成分を測定します。
  • 細菌検査
    感染症の原因となる細菌を特定し、抗生剤の効果を調べます。
  • 病理検査
    臓器の一部や組織などを顕微鏡で観察し、病気を診断します。
  • 生理機能検査
    循環器機能検査、呼吸機能、神経生理検査に大きく分かれます。
    生体の機能を身体から直接測定します。

2022年4月に生化学自動分析装置LABOSPECT006(日立ハイテク社製)を導入しました。サンプル量の微量化、クロスコンタミネーションの低減を特徴とします。同年5月には全自動免疫測定装置HISCL-5000Sysmex社製)を導入しました。検査所要時間の短縮、高感度・ワイドレンジ測定により再検査を減らすことで、患者待ち時間を短縮し、より正確な検査データを提供します。

 

血液検査基準値一覧表(院内検査)

西宮渡辺心臓脳・血管センター 2022年10月3日改訂

項目名 基準値 検査の意味
 WBC
(白血球)
 3.3~8.6×103/μL  感染症などで身体の中に炎症が起こると高値を示します。
 RBC
(赤血球)
男性 4.35~5.55 ×106/μL
女性 3.86~4.92 ×106/μL
 血球成分です。血液の大部分を占めており、酸素を運搬する役割をします。
貧血や赤血球増加症の検査に用います。
  Hb
(ヘモグロビン濃度)
男性 13.7~16.8 g/dL
女性 11.6~14.8 g/dL
 血色素です。貧血の指標となります。
  Ht
(ヘマトクリット値)
男性 40.7~50.1 %
女性 35.1~44.4 %
 血液中の赤血球成分の割合(%)を示しています。
 PLT
(血小板)
 158~348 ×103/μL  血球成分です。出血を止める上で大きな役割をします。
 T-P
(血清総蛋白)
 6.6~8.1 g/dL  血清中の蛋白質量を見たものです。(主にアルブミンとグロブリンに分けられます)
 Alb
(アルブミン)
 4.1~5.1 g/dL   肝臓で生成される水溶性の蛋白です。栄養状態や肝機能障害の程度を反映します。
 A/G  1.32~2.23  血清中の蛋白はアルブミン(A)とグロブリン(G)とに大きく分けられ、A/G比はこの比率を示します。病気によって変化します。
 T-Bil
(総ビリルビン)
 0.4~1.5 mg/dL  黄疸の指標。肝障害、胆汁うっ滞などの肝胆道系疾患、及び溶血性疾患で上昇します。
 AST  13~30 U/L  心臓や、筋肉、肝臓、赤血球等に含まれる酵素で、肝疾患、心筋梗塞、心筋炎、溶血性疾患などで上昇します。
 ALT 男性 10~42 U/L
女性 7~23 U/L
 肝臓に多く含まれている酵素です。他の臓器に含まれている量は少なく、この為肝障害で特異的に上昇します。
 γ-GTP 男性 13~64 U/L
女性 9~32 U/L
 アルコールを取りすぎると上昇します。また胆汁排泄異常でも上昇します。
 ALP  38~113 U/L  肝臓から胆汁中に排泄される酵素で、この排泄異常で血液中に多く出てきます。骨や小腸にも存在します。小児は高値に出ます。(2021年3月より国際臨床化学連合会IFCCに基づいた方法に変更となっており、今までの約3分の1の値となります)
 LDH  124~222 U/L  心臓や肝臓、筋肉、赤血球などに多く存在する酵素で、様々な疾患で上昇します。
 CK 男性 59~248 U/L
女性 41~153 U/L
 骨格筋、心筋、脳などに分布する酵素でこれらの臓器の障害時に上昇します。
 CK-MB  ~5ng/mL  心筋に多く分布する酵素で、心筋梗塞で高値になります。
 アミラーゼ  44~132 U/L  膵臓から出るものと、唾液腺から出るものがあり、どちらの病気でも高値を示します。
 T-ch
(総コレステロール)
 150~219 mg/dL  血中総コレステロールの1/5は食事由来で、残りは主として肝臓で作られます。
高値の場合は動脈硬化の原因となります。
 TG
(中性脂肪)
 50~149mg/dL  炭水化物やアルコールの過剰摂取で上昇します。高値の場合は動脈硬化の原因となります。食事の影響を受けます。
 HDL-C
(HDLコレステロール)
 40~90 mg/dL  俗に善玉コレステロールと呼ばれるもので、HDLコレステロールが十分あると、動脈硬化が抑えられます。
 LDL-C
(LDLコレステロール)
 70~139 mg/dL  俗に悪玉コレステロールと呼ばれるもので、LDLコレステロールが高くなると、動脈硬化の原因の一つとなります。
 BUN
(尿素窒素)
 8.0~20.0 mg/dL  腎機能の指標です。腎機能障害の他に脱水、消化管出血などでも上昇します。
 Cre
(クレアチニン)
男性 0.65~1.07 mg/dL
女性 0.46~0.79 mg/dL
 腎機能の指標です。腎臓の機能が低下すると上昇します。
 UA
(尿酸)
男性 3.7~7.8 mg/dL
女性 2.6~5.5 mg/dL
 過食、大量飲酒、脱水などで高値を示します。また腎機能低下でも高値を示します。
また、高値の場合は痛風を起こすことがあります。
 Na
(ナトリウム)
 138~145 mmol/L 体内の水分のバランスが崩れたときに異常値となります。
 K
(カリウム)
 3.6~4.8 mmol/L
 Cl
(クロール)
 101~108 mmol/L
 Ca
(カルシウム)
 8.8~10.1 mg/dL  副甲状腺疾患、骨疾患、腎疾患などで異常値となります。
 IP
(無機リ ン)
 2.7~4.6 mg/dL  内分泌・骨異常を調べる検査です。副甲状腺疾 患、腎疾患などで高値を示します。
 Mg
(マグネシウ ム)
 1.8~2.4 mg/dL  生体の代謝調節を担う金属元素です。副甲状腺疾患、甲状腺疾患で異常値を示します。
 CRP  ~0.14 mg/dL  感染、炎症、組織障害時(心筋梗塞、手術など)で上昇します。
 グルコース(血糖)  73~109 mg/dL  糖尿病の診断や経過観察の指標になります。食事の影響を受けます。
 HbA1c  4.9~6.0 %  過去1ヶ月から3ヶ月前の血糖値の状態を推測できます。
 NT-proBNP  ~125 pg/mL  心臓への負荷の有無やその程度を知ることができます。
心不全の指標として使用されます。
 トロポニンT  ~0.016ng/mL  心筋の構成成分です。急性心筋梗塞や不安定狭心症など、心筋に障害があると上昇します。
 PT
(プロトロンビン時間)
 10~13秒  出血を止める作用を調べる検査の一つであり、ワーファリン治療の際にはPTの値により投与量を調節します。
 APTT  24.3~35.0秒  凝固因子の異常を調べる検査です。血液が凝固しにくくなると延長します。
 フィブリノゲン  169~515 mg/dL  肝臓で作られ様々な病態を反映します。
 アンモニア  ~75 N-μg/dL 肝機能の重症度を知ることができます。

※個人の生理変動で左右する項目もあります。あくまで目安として考えてください。
詳しい説明は主治医にお尋ねください。

印刷用 血液検査基準値一覧表

 

 

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