西宮脊椎センターについて
当脊椎センターについて
西宮において高いレベルの脊椎治療を行うべく、2020年10月に脊椎センターを開設いたしました。
-
-
- 迅速な診断と治療を心掛けています。
必要な方にはCTやMRIを受診当日に行い、動くのがつらい患者さんに何度も来院いただく負担を軽減いたします。
- 病状、治療法について、患者さんに御理解いただけるよう詳しく説明します。
保存治療(投薬、ブロックなど)が有効な疾患であれば保存治療を優先します。
神経障害の進行度や病態によっては、手術治療をお勧めいたします。 - 変性疾患(加齢による病気)、脊椎外傷(けが)や腫瘍など、ほぼ全ての疾患に対応できます。
- 手術は、低侵襲手術(内視鏡・顕微鏡視下手術、経皮的手術)を原則とします。
しかし脊椎の病態によっては低侵襲手術では対応困難であることが多々あります。
当院の脊椎外科医は、大きな手術の経験が豊富な脊椎手術のエキスパートです。
低侵襲手術と大きな手術の両方ともしっかりと行うことができます。(両方可能な病院はあまりありません) - 神経の手術は安全性と確実性が最も大事です。
個々の患者さんにとって、どの治療法が最も安全かつ確実に症状をとることができるかを常に考えています。
また、リスクの高い手術においては安全のために脊髄モニタリング装置を使用します。 - いわゆる大病院に長年勤務していた時には手術待ちが2-3か月と長く、痛みでとてもつらそうな患者さんに長期間お待ちいただくのは非常に心苦しい思いでした。
しかし当院では脊椎手術の環境整備により早期に手術を行うことができます。御本人さんの苦痛の期間、御家族の介護の期間、仕事復帰までの期間が大幅に短縮できます。
- 大病院では手術後すぐに退院または転院を促されますが、当院は回復期リハ病棟があるため、手術後は転院せずにそのままリハビリ入院ができます。
- 迅速な診断と治療を心掛けています。
-
腰椎疾患
腰椎椎間板ヘルニア、腰部脊柱管狭窄症、腰椎変性すべり症、腰椎分離すべり症などによる足のしびれ、痛み、動かしにくさ、尿の出しにくさ
●代表的手術:腰椎椎間板ヘルニアに対する内視鏡下ヘルニア摘出術(MED)
18㎜ほどの切開で行い、筋肉の展開が少ないため術後の痛みが低下します。
正常組織が温存できることもメリットです。翌日に離床しリハビリを行います。
●代表的手術:腰部脊柱管狭窄症に対する内視鏡下片側進入両側除圧術(MEL)
18㎜ほどの切開で行い、筋肉の展開が少ないため術後の痛みが低下します。
片側は全く開けることなく反対側の除圧が可能であり正常組織を大きく温存できます。
翌日に離床しリハビリを行います。
最新の脊椎低侵襲手術(片側2ポータル式還流型内視鏡システム)が施行可能となりました! 地域初!
当院で施行可能となりました最新の脊椎低侵襲手術(人体の組織へのダメージが軽い手術)について紹介いたします。
地域初で全国的にも導入している施設は、まだ非常に少ない手術法です。
これまでの脊椎手術の低侵襲手術といえば、2cmほどの切開で行う内視鏡手術が一般的でしたが、その欠点を解決できるようになったのが新しい内視鏡システムである片側2ポータル式還流型内視鏡システム(Unilateral Biportal Endoscopic spine surgery:UBEまたはBiportal Endoscopic Spine Surgery:BESS)です。
UBEは、5mmほどの非常に小さな切開を2か所作成し、一方からはカメラのみを、もう一方からは操作器具のみを挿入するものです。
その利点は、
①筒を使用せず、カメラの方向と操作の方向が独立しているため、操作の制限が少ない
②カメラが細く、これまでは見ることも触ることもできなかった深い組織を手術できる
③水を還流させるため、血液の貯留がなく組織判別良好であり手術の安全性が向上する
④操作の自由度が高いため、変形した関節も温存しやすく、内視鏡手術の適応が広がる
このように利点の大きい低侵襲手術であり、合併症のリスクも低いため、世界中で広がり始めた術式です。
日本では昨年、脊椎関連の学会がUBE使用の資格を設定しており、当院では山下が資格を取得しています。大変良い術式ですが、全ての疾患・患者さんに適応可能なわけではなく通常の手術の方が良い結果が得られることもあり、個別に説明させていただきますので腰椎疾患でお困りの患者さんはぜひ受診いただければと存じます。
●代表的手術:腰椎変性すべり症に対する後方進入椎体間固定術(PLIF)
脊柱の支持性が損なわれた状態のため、神経の除圧に加えて固定を行います。
1時間半から2時間前後で終了し出血も少なく、術前に貧血がなければ輸血することはありません。
椎体間に多量の骨移植を行うことで高い骨癒合率を得ています。
より低侵襲なスクリュー刺入法であるCBT法も行うことができます。
術後1-2日で離床しリハビリを行います。
頚椎疾患
頚椎椎間板ヘルニア、頚椎症性脊髄症・神経根症、頚椎後縦靭帯骨化症などによる手足のしびれ、痛み、動かしにくさ
●代表的手術:頚椎症性脊髄症に対する椎弓形成術
首の後ろから、脊髄の通り道を広げ脊髄の圧迫を解除します。
1時間から2時間弱で終了します。術後1-2日で離床しリハビリを行います。
●代表的手術:頚椎症性神経根症に対する椎間孔拡大術
首の後ろの骨を一部削り、腕に向かう神経根の通りを良くします。
保存治療が効かない耐え難い肩甲部~腕の痛みや運動麻痺の方に選択します。
通常1時間程度で終了します。出血は少なく、翌日に離床します。
●代表的手術:環軸椎亜脱臼(歯突起後方偽腫瘍)に対する後方固定術
頚椎のぐらつきによる脊髄の障害に対し、ぐらつきをなくし神経への刺激をなくします。
通常3時間程度で終了します。出血は少なく、翌日に離床します。
骨粗鬆症による骨折
●代表的手術:胸腰椎新鮮圧迫骨折に対する経皮的椎体形成術(BKP)
骨粗鬆症により骨がもろくなった方は、転倒などで容易に背骨を骨折します。
骨折部に骨セメントを充填し補強することで強い腰痛を改善し早くに動けるようになります。
30分ほどで終了し、5㎜の傷のため出血はほぼしません。術後翌日に離床しリハビリを行います。
●代表的手術:胸腰椎新鮮圧迫骨折に対する経皮的椎体形成術(BKP)+経皮的スクリュー固定(PPS)
経皮的椎体形成術単独では不十分と思われる新鮮骨折に対してはスクリュー固定を併用します。
低侵襲な経皮的スクリューは小さな切開で挿入し出血や筋肉へのダメージを大幅に減らします。
術後翌日に離床しリハビリを行います。
●代表的手術:胸腰椎圧迫骨折後遅発性麻痺に対する椎体形成術+後方固定術
骨折した背骨が治らないと、ぐらついた背骨自身が中の神経を圧迫し、足が動かしにくくなったり、おしっこが出にくくなることがあります。
ぐらついた背骨を安定化し神経への刺激が伝わらないようにします。3時間前後で終了します。術後1~2日で離床しリハビリを行います。
腫瘍性疾患
●代表的手術:硬膜内髄外腫瘍に対する骨形成的椎弓切除+腫瘍摘出
腫瘍が神経を圧迫し、足のしびれ・痛みや動かしにくさ、おしっこが出にくくなることがあります。
腫瘍をとるためにいったん背骨の後ろを外し、腫瘍摘出後に再度骨を戻します。2時間前後で終了します。術後1~2日で離床しリハビリを行います。
手術実績(2019年~2022年)
2019年 | 2020年 ( 2020年10月より 脊椎センター開設 ) |
2021年 | 2022年 | 2023年 | |
---|---|---|---|---|---|
合計 | 63 | 106 | 147 | 223 | 195 |
脊椎センター開設後、手術目的にご紹介いただく患者さんが急増しています。
当院で手術を行った患者さんが、知人に当院を勧められたり、遠方から受診の患者さんも多数おられます。
外来診療担当表
午前
受付時間:8:30〜11:30 診療開始:9:00〜12:00
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 |
---|---|---|---|---|---|
小野 | 小野 | 山下 |
午後
受付時間: 13:45〜16:30 診療開始:14:00〜17:00
月曜日 | 火曜日 | 水曜日 | 木曜日 | 金曜日 | 土曜日 |
---|---|---|---|---|---|
山下 | 山下 |
医師紹介
山下 智也
tomoya yamashita
役職 | 脊椎外科部長/西宮脊椎センター センター長 |
---|---|
所属 | 西宮脊椎センター/整形外科 |
専門分野 | 脊椎・脊髄外科 |